個の存在の評価について  【気功講義 Vol.71】

我らが師こと「カメ仙人」の気功講義をご紹介していきます。

「個の存在の評価について」について、3回シリーズの1回目です。

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 個の存在が、どれほど有意義に生きることが出来たのか?という評価は、生き方そのものではなく、個の存在が、過去、現在、未来を通じて、どう生きたか?ということが重要になってきます。すべては、時の流れの中で、個の存在が決定されます。生き方そのものの、その時の善し悪しではなく過去から未来にかけて、その者が生きた結果が、歴史の中でどう影響を与えたか?どれほど多くの者たちに、そして歴史に影響を及ぼしたか?ということが大切な評価の基準なのです。

 困ったことに、目の前の事柄に執着して、物事を早急に解決することばかりに、誰もが心を奪われます。それは、その事柄を「その時」に正確に判断することが出来ないからです。しかし、目の前の事象にとらわれてはいけません。

 その者が置かれている状況がどうであれ、充実した生き方が出来たならば、それはそれで満足できるでしょう。しかし、その満足というのは、過去、現在、未来を通じて充足感が得られるかというとそうでないことも多いわけです。

 究極の例をひとつ挙げましょう。
宮本武蔵は、13歳で初めて試合を勝利して以来、29歳で巌流佐々木小次郎を破るまで60余回の決闘をして人を殺しています。その後も大阪夏の陣、冬の陣を始め、島原の乱、等にも出陣しています。人を殺すという一点で見れば、最悪のことをしている訳ですが、その後彼は自らの足跡について、悩み迷って人生を送っています。座禅すること、書画に没頭すること、「五輪書」や「兵法三十五箇条」等の兵法をまとめることが、それを現しています。そしてその後、世に残したものや影響の大きさ故、偉大な評価を受けています。その武蔵が死の病床においてまとめた「独行道」二十一箇条は、晩年武蔵の思いの凝縮とも言えるでしょう。

「独行道」
一、世々の道をそむく事なし
一、身にたのしみをたくまず
一、よろずに依枯(えこ)の心なし
一、身をあさく思い、世をふかく思ふ
一、一生の間、欲心思わず
一、我事において後悔をせず
一、善悪に他をねたむ心なし
一、いずれの道にもわかれをかなしまず
一、自他共にうらみかこつ心なし
一、恋慕の道思いよる心なし
一、物ごとにすきこのむ事なし
一、私宅においてのぞむ心なし
一、身ひとつに美食をこのまず
一、末々代物なる古き道具を所持せず
一、わが身にいたり物いみする事なし
一、兵具は格別 よの道具たしなまず
一、道においては死をいとわず思う
一、老身に財宝所領もちゆる心なし
一、仏神は貴し仏神をたのまず
一、身を捨て名利はすてず
一、常に兵法の道をはなれず
         保弐年五月十二日 新免武蔵 玄信


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Posted by masuda