拈華微笑(ねんげみしょう)―3

張志祥先生は著作の中で、次のような例を挙げてみえる。

霊鷲山(りょうじゅせん)にて、釈迦牟尼が衣鉢(いはつ)を伝える為に全体の弟子を坐前に呼び集める。衆弟子は世尊が説法するに違いないと思っていたら、しかるに世尊は端坐して無言のままでいる。衆人がいぶかっている中を、迦葉(かしょう)が世尊に向かって微笑する。世尊は直に手に持っていた花を迦葉に渡して、自分は既に衣鉢(いはつ)を迦葉に伝えたと声明する(この時、正法眼蔵-しょうぼうげんぞう-を与えたと言われる)

この「拈華微笑」の故事は、即ち「知音相伝」である。それは心音の情報が相互に疎通した為であって、無声の対答の中で心で衣鉢を伝えたのである。禅宗は従来この方法で衣鉢を伝承するのである。談話は音に対する黙念であり、訣に対する変化(へんげ)であって、功能態の下に行われる交流である。談話で病気を治すことが出来るし、談話が功力を増進させることも出来る。古代の各門各派は、みな口授心伝を重視する。その妙用は即ちこれらの原因に基づくものである。

私が、度々錬功会に出てくる人達に、錬功が終わったらサッサと帰るのではなく、その後の談話や、食事会に出席しなさいと言うのは、こういった理由からである。
(つづく)

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功法の力

Posted by masuda