金峯山寺(きんぷせんじ)金剛蔵王権現 2

ここ金峯山寺に訪れるには、近鉄吉野駅からロープウェイに乗って、その後徒歩10分ほどです。
そんな山の中に金峯山寺はあるわけですから、近くにホテルなどありません。
そこで、そのときは近くのお寺の僧房に泊めていただくことにしたのでした。

夕方に蔵王堂に着いたときには既に閉じられており、翌朝ご拝観することとしました。
僧房に着くと、なんと他には宿泊するものはない模様。

食事を終え、床に案内されてびっくり。
百畳もあろうという大きな部屋の真ん中に寝床がたった一つだけ敷いてあるではありませんか。
ただでさえ、おっかないお寺の中で大きな部屋の中にたった一つの寝床。
想像できますか?

電気を消し、床に入ったものの、なかなか寝付かれません。
暫くして、ふと気がつくと天井から私を見つめている者がいるではありませんか?
その瞬間、「あっ、役行者だ。」と、瞬間的に理解できました。

そうすると、次々に別の人が二人、のぞき込みました。
「こいつは何だ。」といった具合です。

何故だか変わった瞬間に、その人達が奈良時代と、江戸時代の修験者だと理解できました。
向こうは、無形の存在でしょうから、今までの生き方を顧みて、罰でも当たるのかと
「何でも、お好きにご覧下さい。」と、いった具合に、ある意味捨て鉢になって寝ていました。

すると、次々と赤、白、金色の立派な無形の剣を下さったのです。
(つづく)